Pixel 10に命運。Tensor G5はPixel史上最大の失敗になる可能性

Googleが半導体事業を継続するためにもGoogle Tensorの製造コストをより抑制する必要があると言われている中で、需要過多の影響で値上げがとまらないTSMCにGoogle Tensor G5から切り替えることはGoogleにとって大きな挑戦になる可能性があります。

今回Android AuthorityによるとGoogle Tensor G5はPixel史上最大の失敗になる可能性があると報告しているのでまとめたいと思います。

Samsung製は問題だらけ。

2021年にGoogleはPixel 6シリーズと合わせて初の独自SoCとなるGoogle Tensorを正式発表。Googleによると開発期間は4年に及んだとしていますが、実際のところはAppleのような完全独自SoCではなくSamsungのExynosをベースにしたセミカスタムSoCという感じでした。

またGoogleの設計にも問題があるのかもしれません、Google Tensorは電池持ちも悪ければ発熱もしやすく、統合されている5Gモデムが原因なのか通信関連の不具合が多発するなど、Snapdragon搭載時代では考えられないような問題が多発した感じになります。

これらの欠点は、それぞれPixel 6とPixel 7シリーズのTensor G1とG2チップで最も攻撃的でした。これらの電話は定期的にパフォーマンスに問題があり、1回の充電で丸一日持ちきるのがほとんどできず、強く押しすぎるとすぐにオーバーパワーハンドウォーマーに変わります。

もちろん世代を重ねるごとに改善されていますが、DimensityやSnapdragonと比較するとGoogle Tensorのパフォーマンスは大きく劣ります。

Googleによるとベンチマークでハイスコアをとるためのチューニングをしていないとしていますが、XperiaやOppoのようにパフォーマンスが高いSoCをあえて最適化を中心にすることでパフォーマンスを制御しているのと、そもそもパフォーマンスが低いのでは全く違います。

Googleは最新のSnapdragonやDimensityチップと同じレベルで完全に競争する機会はありません。そして、年が経つごとに、その不一致に対処することがより困難になります。

少なくともサプライヤーがSamsungだとGoogleが実現したことですら実現するのは難しいのかもしれません。

TSMC製は賭けに近い。

爆熱SoCと散々批判されたSnapdragon 8 Gen 1ですが、ここ近年でみればSamsungが最後に担当した最後のSnapdragonとなっています。また設計自体はほとんど一緒だったSnapdragon 8+ Gen 1では処理性能が10%に電力効率が30%の改善とサプライヤーが変更されるだけで劇的な改善に。

つまりGoogleが今抱えている問題はTSMCに変更することで改善する可能性があります。

Googleにとって残念なことに、ここには本当の中間点はありません。同社はTensor G5でTensorチップを軌道に乗せ、待ち望んでいたフラッグシップシリコンの生産を開始するか、生産しないかのどちらかです。これは、GoogleがPixelのラインナップに対して行う最善の動きの1つになるか、最も残念なものの1つになるかのどちらかです。

ただ逆に言えばTSMCに切り替えても大きく改善しないのであればGoogleのチップ設計に問題があることにもあります。何よりGoogleにとってある意味最初で最後のチャンスという感じで、TSMC製に切り替えてもダメなら極論今後もユーザーの期待に応えられるようなSoCになることはないです。

Appleは半導体開発で培った技術をiPhoneだけではなくiPadやMacにも活かしていますが、Googleの場合は結局スマホどまりで拡張性がないことからもこれ以上の莫大な投資もリスクしかないです。

一部情報によるとGoogle Tensor G5ではTPUの改善が14%程度と言われており、AIを主軸に設計している割には進化幅が微妙に感じてしまいます。少なくともGoogleはPixel 14シリーズまではTSMC製を継続するみたいですが思うような結果が出ない場合はMediaTekやQualcommの既製品に戻した方がいいという流れになってしまうのかもしれません。

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